松永式音読法
音読道場 とは
この道、約50年。
化け猫家庭教師による「発見」
家庭教師歴約50年の松永暢史先生。彼がこの音読法の開発者です。
音読法を発見したのは、今から20年以上前。東大卒の優秀な家庭教師が何人も逃げたあと「できない」中2男子を松永先生が指導しはじめたのがきっかけでした。
クラスでビリから2番目と自分で口にしていたその中学生は、1行どころか5字程の文字さえ連続して読むことができませんでした。
ある時、学校で徒然草の音読が宿題に。
案の定勉強するのを嫌がる彼に松永先生はさまざまな方法を試しますが、まったく読めるようになりません。
そこで、その場の思いつきで、徒然草を1音1音切って読ませてみました。すると、1週間くらい続けているうちに、驚くことに徒然草をすらすら音読できるようになっていたのです。その後現代文でも1音1音切って読んだところ、問題なく読めるようになっていました。
なぜ古文を読むと
現代文が読めるようになるのか
20カ国以上の言語を習得した大変な語学の天才、ドイツの考古学者ハインリッヒ・シュリーマン。 彼はどうやって言語を習得したのでしょうか。
「(私は)あらゆる言語の習得を容易にする一方法を発見した。
それは先ず、習得しようとする言語の名文を、毎日訳すことなく大声で非常に多く音読することである。そしてそれを暗唱してしまうことだ。…私はこのような方法を全ての人にお勧めする」(『古代への情熱』(岩波文庫他))
私たちが使っていることばは生き物ですから、日々変化しています。ですが、それは間違いなく、それまでに使われてきた言葉の延長線上での変化です。 特に、日本語でカギを握るのは助詞・助動詞です。古い「音」を知ることで、この言葉の変化に敏感になり、その結果、言葉がよくわかるようになるのではないでしょうか。
日本語のもとは
「うた」である。
英語で詩や音楽を使って英語を学ぶように、日本語を練習するときも「うた」から入ります。日本の歌ってなんでしょうか。それは和歌です。
和歌を詠むといっても、みなさんが想像する和歌は、もしかすると、つまらない、退屈なものかもしれません。
ですが、和歌は本来うたうものではないでしょうか。お正月や学校の授業で仕方がなく習うものではなく、楽しく知的な遊びなんだと思います。
だから、私たちは和歌を歌うことを意識して教えます。1音1音がその場に響くように。メロディは感じられないかもしれませんが、1音ずつでも意味の通じる日本語特有のリズム感を意識してうたいます。
言葉を恐れない子に育てる!!音読トレーニング
音読道場のトレーニングは以下の
3つのステップを意識しておこないます。
- 01母音の音の「ちがい」を
体に浸透させる。 - 021音1音切って大声で
はっきり読む。 - 03古代から現代まで原種の日本語から順にすべての日本語を体感する。
松永式の音読法は、いわば空手の「かた」のようなものです。言葉について、よくわかるようになることで、無用に言葉におびえることを防ぎます。
案外、子どもは新しい言葉に触れるのに不安がることがあります。音読道場で日本語を1音1音切って、古典音読することで日本語のすべての音に恐れない子に育つのです。